Armin Strom - Mirrored Force Resonance 第2部



Armin Strom(アーミン・シュトローム)のMirrored Force Resonance(ミラード・フォース・レゾナンス)に採用されているResonance(共振)ということについて、第一回目は、その「共振」ということについて考えました。

そして、第二回目は、この現象を取り入れたムーブメントをArmin Stromがどのようにして開発したか、というお話です。

Mirrored Force Resonance Water


今日の多くの時計メーカーとは違い、ARMIN STROMには自社で一貫生産できる高度な技術があります。レゾナントに搭載したキャリバーARF15は、自社で設計、製作、組み立て、調整を行った古典的な手巻きムーブメントです。

キャリバー ARF15
第一部でもご紹介しましたが、「共振」が起きるのは、2つのレギュレーターのうち一方が動くことで、周囲に振動を伝えます。それに近い固有振動数を持つもう一方のレギュレーターが振動をキャッチすることで、ひとつ目のエネルギーを吸収し、同じ振動数で共振し始めます。ひとつ目のレギュレーターが「エキサイター(励振器)」として、もう一方が「レゾネーター(共振器)」として機能します。


つまり、ムーブメント1が起こす振動を、ムーブメント2がキャッチし、同じ振動数で共振を始めるというものです。

Armin Stromの技術チームは、レゾナンス・クラッチ・スプリングを開発し、バランスホイールではなくバランス・スプリング・スタッド(ヒゲ持ち)で、この2つをつなぎました。

振動数は3.5ヘルツ(25,200 vph)で、特許を取得したレゾナンス・レギュレーターの動きは、見る者の目を引き付けて離しません。ムーブメントはあくまで現代的で、揺るぎない豊かなライフステージにふさわしく、斬新かつ完璧に仕上げられています。2つの秒表示は対称に配置され、1本のシングルスプリングでつながっています。


レゾナンス・クラッチ・スプリングまわりを抽出してみると、このような構造になります。



つながった2つのオシレーターは、一方は時計回り、もう一方は反時計回りの反対方向に回転します。文字盤を通してはっきり見える、その生命力あふれる動きは、あたかもマジックのようです。それを完成品で見ると、このような動き方になります。



Mirrored Forceつまり、3時と9時のラインに鏡を立てたごとく2つの秒針は動いていきます。

なお、万一48時間のパワーリザーブが切れ、ムーブメントを動かすために巻き上げが必要となった場合、対のバランスホイールが同期するまでにかかる時間は約10分。衝撃など外的な影響を受けた場合、対のバランスホイールがバランスを調整して同期するまでの時間はほんの2、3分です。


ケースサイドの2時の位置にある夜光処理を施したプッシャーは、対になった秒表示と、対になったバランスホイールを同時にゼロにリセットします。ミラード・フォース・レゾナンスは、Armin Stromが製作したタイムピースの中でもきわめて複雑です。言うまでもなく、特許も取得済みです。

では、実際にどう動いているのかご覧ください。動画の1:00あたりで見えてくる、激しく動いているパーツ、それが、レゾナンス・クラッチ・スプリングです。


次回は、その進化バージョンです。

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